Sara Gazarek + Josh Nelson / Duo
2015/07/05
アコースティックなサウンドをバックに、健康的でスウィング感溢れるボーカルが魅力的なSara Gazarekだけど、3年ぶりのニューアルバムはピアノとのデュオ。お相手はデビュー以来ピアニストとしてだけではなく、彼女の音楽をトータルコーディネイトしてきたJosh Nelson。
デビュー作「Yours」(2005)からちょうど10年、初期の頃の溌剌さが心地よかったボーカルから、曲の持つ世界を表現するボーカルに深化していて、その表現力をミニマムな編成でたっぷり味わえる作品に仕上がっています。
選曲はこれまでのアルバムと同様に、スタンダードとポップス・ロック、そして2人のオリジナルから。
その中でもJosh NelsonもしくはSara Gazarekとの共作の楽曲の素晴らしさは特筆。
アルバムの幕を開けるしっとりと瑞々しいAll Again、最もジャズを感じさせるバラードのPetit Papillon (#6)、切ない感情が美しいメロディに染みいるようにボーカルで表現されたI Don't Love You Anymore (#9)、などどれも現在のSaraのボーカルが満喫できる逸品。そんな中でも、アルバム最後のボーナストラックBehind Meは、淡々としつつも温かさや強さを湛えた名曲だと思います。(他国でリリースされる盤には入らないのかな。)
スタンダードやポップス・ロックの楽曲では、英国のシンガー・ソングライターの新人Laura Mvula("Nina Simon sings Beach Boys"と評されるとか・・興味津々)のFather Father (#10) 、Brad Mehldauも取り上げたスタンダードのNo Moon At All(#8)、Nick DrakeのRiverman(#11)での曲の持つ複雑な表情を細やかに歌い上げるSaraに感動。ほんと巧いボーカリストだとつくづく思います。
アルバム後半、複雑な表情をもつ楽曲が増えるにつれて、その機微を見事に捉えたパフォーマンスが圧巻でした。
No Moon At All (Band Ver.)
Personnel
Sara Gazarek : voice
Josh Nelson : piano
Tracks
1. All Again
2. Blackbird/Bye Bye Blackbird
3. O Pato
4. Sunny Side of the Street
5. I Can't Make You Love Me
6. Petit Papillon
7. Mood Indigo
8. No Moon At All
9. I Don't Love You Anymore
10. Father Father
11. The River/Riverman
12. Behind Me (Bonus Track)
Rel:2015 CORE PORT RPOZ-10011
Recorded January 5,6 & 7, 2015 at Capitol Studios, Hollywood, CA
追伸:来日中です!
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トラバありがとうございました。
返信削除仰るとおり、ボーナストラックがとても良いと思います。
これも、世界の方々に聴いて欲しいですよね。
信頼関係のある二人の会話は、心の機微も見事に表現されてるとおもいます♪
こちらからも、とらば、いたしますね!
http://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/duo-sara-gazare.html
Suzuckさん
削除今のところ海外でのリリースの情報がなくて、日本独占な状況なのが心配です。良質なアメリカンミュージックとして楽しまれるべきだと思うのですが。。にしてもいい曲素晴らしいボーカル、素晴らしいです。
トラバありがとうございました。