Duane Eubanks Quintet / Things of That Particular Nature

2015/02/22



トロンボニストのRobin Eubanks(1955年生まれ)・ギタリストのKevin Eubanks(1957年生まれ)の弟というトランペッターDuane Eubanks(1969年生まれ)がリーダーとなるアルバムです。

楽曲はMulgrew MillerのHolding Hands(#4)以外は彼のオリジナル。
このバンドはそのMulgrew Miller繋がりから派生しているとも言えそうで、兄のRobin EubanksやヴィブラフォンのSteve NelsonがDave Hollandのバンドで、ドラマーのEric McPhersonはMyron Waldenのバンドで共演していました。サックスのAbraham BurtonはこのアルバムではCo-ProduceとしてもクレジットされているMcPherson繋がり。

なんてことをつらつらと調べているだけでも、かなり濃いめのハードバップなジャズが展開されると予想できてしまうし、その通りに基本的にはハードバップな楽曲・演奏ですが、R&B的なリズムのRosey(#3)Dance with Aleta(#7)や、前述のMulgrew MillerのHolding Hands(#4)Aborted Dreams(#8)のようなSteve Nelsonのヴィブラフォンが美しい響きとリズムを奏でているバラードがバランスよく構成されていて、アルバム全体で楽しめるように工夫されているように感じられます。

Duane Eubanksのトランペットはキレというより柔らかめで暖かなサウンドで、バラード映えがする印象。逆にAbraham Burtonのテナーは硬くキレがあって、特にハードな楽曲では2管のコントラストがはっきりしていて、聞きようによってはリーダーを喰っているとも。

この手のジャズはダークな楽曲が占めている作品が多い印象ですが、これはさわやかで陽性なインパクトを残してくれて、TPOをあまり選ばない日々聞きに向いたアルバムでしょうね。



Aborted Dreams (レコーディング時の映像;多分)



Personnel
Duane Eubanks : trumpet, Flugelhorn
Abraham Burton : tenor saxophone
Marc Cary : piano, fender rhodes
Dezron Douglas : bass
Eric McPherson : drums
Steve Nelson : vibraphones


Tracks
1. Purple, Blue, and Red
2. AS is
3. Rosey
4. Holding Hands
5. Beer & Water
6. Anywhere's Paradise
7. Dance with Aleta
8. Aborted Dreams
9. Slew Footed
10. "P"


Rel:2015 Sunnyside Records SSC 1390
Recorded at Tedesco Studios, Paramus, New Jersey on July 8, 2014

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