Claudio Filippini Trio / Breathing in Unison

2014/04/20



イタリアのピアニストClaudio Filippiniが早くも新作を届けてくれました。
スウェーデンの重鎮ベーシストPalle Danielsson、Filippiniと同世代の若手ドラマーOlavi Louhivuoriとのトリオで昨年リリースしたアルバム「Facing North」から同一メンバー、インターバルも短い上でのリリースで前作からの続編とみてよさそうです。

楽曲はClaudio Filippiniが4曲(#1,4,5,7)、ドラマーのOlavi Louhivuoriが#6、スタンダードが3曲(#2,8,9)と、Dann Pennの"The Dark End of the Street"(#10)、新しいところでRufus Wainwrightの"Poses"(#3)といったシンガーソングライターの作品を取り上げています。

1曲目のModern Timesを前作のラストをReprise的に配置してアップテンポにスタートしますが、以降は、しっとりとロマンティックなメロディで全編をしきつめた優しさいっぱいのバラードアルバムですね。この作品は、表面的なエキサイティングな部分をそぎ落としてでもこのトリオの深化度合いをバラードで表現したいんだっていう意志を感じます。

インタープレイの複雑さやエキサイティングなソロの応酬といった、ジャズ的な聞き方をするとおそらく物足りないと感じられると思うけど、暖かくやさしい音楽に包まれたいという疲れた現代人のニーズは少なからずあると確信しています(キッパリ)。特に"Breathing in Unison"(#5)"Night Flower"(#6)の流れは感動的な優しい美しさときたら・・。


Claudio Filippiniは1982年生まれでジャズの世界では若手に入ると思いますが、Enrico Pieranunziがライナーに寄稿した彼のアルバム「The Enchanted Garden」(2011)あたりから、Fabrizio BossoやMax Ionataといったイタリアジャズシーンで勢いのあるアーティストと絡むようになって、これから注目のアーティストですね。


チェレスタの響きも優しい"Breathing in Unison"をどうぞ。




Personnel
Claudio Filippini : Piano ,Celesta
Palle Danielsson : Double-Bass
Olavi Louhivuori : Drums

Tracks
1.Modern Times #evolutions
2.As Time Goes By
3.Poses
4.The Sleepwalker
5.Breathing In Unison
6.Night Flower
7.South Michigan Avenue
8.A Time For Love
9.Secret Love
10.At The Dark End of The Street

Recorded in Ludwigsburg on 17,18,19 April 2013 at Bauer Studios
Rel:2014 CamJazz CAMJ 7874-2


4 件のコメント

  1. こんばんは。
    そうそう、音楽は聴いてる人のコンディションにも結構影響されますよね。

    わたし的には、ずっとソロアルバムをいろいろ聴いてるときがあって、、そのあと、デュオのアルバムを聴いていたときがあって、、
    その流れで、今度はトリオって、感じの気持ちの方向もありました。

    そして、やっぱり、疲れた気持ちと身体に沁み込んで来る音楽を求めてるのもあったのでしょうね。
    今は、後ろでJohn Mayer の Gravityが流れてます。
    来日しますね。
    チェレスタの音もとても可愛いです。はい。
    トラバしますね。

    http://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/breathing-in-un.html

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    1. Suzuckさん、こんにちは。
      疲れたり休みたい時にテンションを上げる音楽を聞く人もいるし、その時のテンションにあわせたものを聞く人もいて、僕もいつからか後者のほうになってます。
      てことで、今はこのアルバムはぴったりなんですね。メロディや楽器の使い方がとても優しくて。チェレスタの音色がしみます・・。

      トラバありがとうございました。

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  2. とっつぁんさん,こんにちは。リンクありがとうございました。

    私は本作に関しては否定的な記事を書きましたが,サウンドの普通さ加減,ゆるさ加減が,私の求める音楽とは違ったということだと思います。音楽の嗜好は人それぞれですから,見解が常に合致するわけではないですが,今回ばかりは相当乖離があったようですね(苦笑)。ということで,こちらもURLを貼り付けさせて頂きます。

    http://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2014/04/claudio-filippi.html

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    1. 音楽狂さん、こんにちは。
      同じ類の音楽を嗜好していても受け止め方は様々なのが、また面白いですよね。僕の方は腰の痛みに負けてしまっている状態の中で聞いていたこともあってこの緩さ加減がよかったです。
      リンクありがとうございました。

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