Colin Vallon Trio / Le Vent -暗く冷たいピアノトリオ-

2014/04/27


Colin Vallon Trioの新作を聞いてみました。
Colin Vallonは'80年生まれスイス・ローザンヌ出身のピアニストで、先の記事のClaudio Filippiniと同世代にあたるようです。'70年生まれのBrad Mehldauの次の世代が徐々に頭角を現してきているんですね。

楽曲はほぼ全編Colin Vallonのオリジナルで、Juuichi(#1)はベースのPatrice Moret、Styx(#11)Coriolis(#12)はトリオによるもの。公用語がドイツ・フランス・イタリアなど複数あるスイス出身だけにタイトルの「Le Vent」はフランス語となっていて「風」という意味のようです。
日本語から命名しているJuuichiからラストのCoriolisまで、ひたすら暗く冷たい肌触りの楽曲を、明瞭なビートを排除して内面に入り込んで響きあうような演奏で、まさに「風」(春や夏ではない)を作品全体で起こしたかのよう。

Colin Vallonの紹介をされているとRadioheadからの影響云々とあるのは、Colin Vallonが10代だった頃に聞いていたであろう「OK Computer」「KidA」あたりのプログレ的で暗くアンビエントな部分だと聞いてみてなんとなく合点がいったけど、こうした音楽を日常にあてはめるのは難しくて、あえていうと「無」になってこの室内楽的な冷たく美しいピアノの響きを漠然と受け止めたい、というなかなかないシチュエーションで、しっくりくるかもしれませんね。




Personnel
Colin Vallon : Piano
Patrice Moret : Double Bass
Julian Sartorius :  Drums


Tracks
1.Juuichi 
2.Immobile 
3.Le Vent 
4.Cendre 
5.Fade 
6.Goodbye 
7.Le Quai 
8.Pixels 
9.Altalena 
10.Rouge 
11.Styx 
12.Coriolis

Recorded April 2013 at Rainbow Studio, Oslo
Rel:2014 ECM Records ECM 2347

2 件のコメント

  1. こんにちは。私はECM的な音楽が好きではあるのですが,これはイマイチのめり込めませんでした。アンビエントな雰囲気というより,私としては記事にも書いたようにフランス映画のBGMに聞こえてしまいました。それが悪いというわけではないのですが,もう少しメリハリ,あるいはハッとする瞬間が欲しいなぁなんて思いましたが,ないものねだりですかね。

    ということで,記事のURLを貼り付けさせていただきます。
    http://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2014/04/colin-vallonecm.html

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    1. 音楽狂さん、コメント&リンクありがとうございます。
      おっしゃるとおり、メリハリや?!となるところがないのは、ビートがないからなのかもしれませんね。しっくりくる日がいつか訪れる気もしていますが、今のところ見つからず仕舞いで・・。

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