Charles Lloyd Quartet / Mirror

2014/10/05



Charles Lloydのご高名は存じていたんですが、この作品が初聞き。
メンツ目当てでずいぶん前に手に入れていたにも関わらず、BGMにはなり得ないその内容だけに、いつどんな気分の時に聞くのが落としどころが見つからないまま、3年を棚の奥で過ごして頂いていました。

Charles Lloyd、1938年のお生まれでリリース当時72歳、現在2014年なので76歳のレジェンドです。このカルテットを形成した3人は30~35年年下で、世代的には3つくらいの違い。親父と息子たちといったところでしょうか。このメンツでは多分2作目(Jason Moranとは後年デュオも)で、Charles Lloydが枯れすぎず"今"の音で自分の音楽を表現するには格好のメンバーだったのでしょうね。

楽曲はLloydのオリジナル4曲(#3,7,11,12)と、スタンダードやトラディショナルもので、全編通して時の移ろいを感じるようなゆったりした楽曲で敷き詰められています。自分の駄耳では、枯淡の極地にいたった彼のテナーとアルトの音色の違いがよく分からないんですが、楽曲のもつメロディの骨格は守って滔々と流すように聞かせてくれます。そこにMoran、Rogers、Harlandが流されすぎずにリズムを締めている塩梅。

後半そんな流れにあっても、異色なのは一番親しみやすいメロディでBye Bye Blackbirdのようなフォークソングの"The Water is Wide"(#9)と、最後にやっぱりこの作品は重いと痛感させられるLloydの神話(?)朗読のラスト。ここでのバック(といっていいでしょう)の3人の滋味の出し方が素晴らしくて、さすがに様々なタイプの音楽をやっている面々だと感心しました。

朗読、怖い感じもあるけど、アクセントになっていい気もします。


あれだけ暑かった夏がすっと秋になって、なんとなく寂しさと疲れを感じたときに、ふとこの作品をスピーカーの前に座して聞くのが宜しいようで、ようやくこの作品の居場所が決まりよかったです。


Caroline, No



Personnel
Charles Lloyd : tenor adnd alto saxophone, voice
Jason Moran : piano
Reuben Rogers : double-bass
Eric Harland : drums, voice

Tracks
1. I Fall in Love Too Easily
2. Go Down Moses
3. Desolation Sound
4. La Llorona
5. Caroline, No
6. Monk's Mood
7. Mirror
8. Ruby, My Dear
9. The Water is Wide
10. Lift Every Voice And Sing
11. Being And Becoming
12. Tagi

Rel : 2010 ECM Records GmbH ECM 2176
Recorded December 2009, Santa Barbara Sound Design

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