Peter Beets / Portrait of Peterson

2014/06/08



オランダのピアニストPeter BeetsがOscar Petersonへのトリビュートとして制作されたアメリカ・ニュージャージー録音の新作です。

Wikipediaや彼のサイトのBioによると、'71年生まれの彼は音楽への深い理解があったご両親から音楽とくにジャズの薫陶をうけたとあります。特にOscar PetersonやArt Blakeyにご執心だった親父さんからの影響は強かったようで、彼のピアニストとしてのスタイルはそこから始まっているといっていいでしょうね。そんなわけでこれまで多くの作品をリリースしてきた彼がこのテーマを作品化するってのはとても自然なことなんでしょうね。ちなみにBassのReuben Rogersが'74年生まれ、Greg Hutchinsonが'70年生まれで、彼らの黒っぽいサウンドってどこから来ているのか興味津々。

アルバムはPeter Beetsのご機嫌なブルース Blues For Oscar から始まり、ラストのReuben Rogersのオリジナル曲の間にOscar Petersonの曲やゆかりの曲が本編としてパックされている印象です。ほとんどの曲はどこかで聞いたことがあると思い浮かべられる曲たちですが、個人的に嬉しかったのが、「We Get Request」で有名な You Look Good To Me をやってくれていること。この優しいメロディーをあの巨体が一生懸命に弾く姿がセットで思い浮かばずにはいられないです。

こうした黒っぽいジャズをプレイしたら最強と言えるReuben RogersとGreg Hutchinsonのコンビとのトリオで、ストレートに”ピーターソン・ミュージック”を演奏しているのが嬉しいですね。#1や#2,8ではベースソロも多めにドライブ感抜群のビートを聞かせてくれるし、Petersonばりに鍵盤を転がるようなタッチでスウィングしてるし、#3,5,7といったスローな曲でのPeter Beetsのピアノの響きを活かしつつ情感たっぷりに弾く表現力も素晴らしいです。

Cakewalk




ジャズミュージックが本来持っている、心や体にストレートに響いてくる心地よさを味わいたい時、こうした作品やOscar Petersonをこれからも聞いていくんだろうなぁとしみじみと感じた作品でした。


Personnel
Peter Beets: Piano
Reuben Rogers: Double Bass
Greg Hutchinson: Drums


Tracks
1. Blues For Oscar
2. Sushi
3. Hymn To Freedom
4. Nigerian Marketplace
5. You Look Good To Me
6. Cakewalk
7. Wheatland
8. Reunion Blues
9. Nightingale
10. Younger Than Springtime

Recorded on Feb 12, 2013 at Charlestown Studios, Hampron, NJ USA.
Rel:2013 Magic Ball Jazz Records CD 75989

2 件のコメント

  1. こちらからもTBさせていただきます。
    本作はビーツはもちろんのこと、ロジャースのベースが目茶苦茶良かったですね。
    3人とも自分の持ち味を存分に発揮していながらも、トリオとしても強力なドライブ感で迫ってきて、まさにピーターソン・トリビュートに相応しい作品に仕上がっていたと思います。
    http://narymusic2010.blog90.fc2.com/blog-entry-3166.html

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    1. ピアノトリオの楽しさが詰まった素晴らしいピーターソントリビュートですね。
      コメント、リンクありがとうございました。

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