Enrico Pieranunzi with Scott Colley Antonio Sanchez / Stories

2014/05/25


イタリアの"ボス"Enrico Pieranunziのピアノトリオの新作を聞いてみました。

"ボス"といってみたのは、存在感もそうなんですが、創り出される音楽で未だに威圧感たっぷりに挑戦し続けているってことと、ジャンルは違えどアメリカの"ボス"のあのお方と、なんと同い年でもあるからですが。ライナーの写真も貫禄たっぷりです。

ライナー裏表紙のEnricoさん


この作品は、アメリカの最強コンビScott Colley・Antonio Sanchezと組んだトリオ作品「Permutation」(2012年)以来の2作目。ただ、レコーディングは、前作がリリースの3年前の2009年、今回が同じく3年前の2011年で、充分に音をねかせていたかのようです。

楽曲はScott ColleyのThe Slow Gene(#4)のほかは、Enrico Pieranunziのオリジナル。これぞコワモテサイドのEnrico Pieranunziな"フリーすれすれなんだけど美旋律"という、No Improper Use(#1)やWhich Way is Up(#5)のアグレッシブな3人のインプロヴァイゼーションが凄いインパクトではありますが、全体としてはワルツやバラード曲の出来のよさや、静と動のバランスを見事に表現したこのトリオの成熟度が伝わってきました。

暖かなメロディが印象的なラストのThe Real YouでのPieranunziとColleyによるデュオがよかったです。

にしてもBlue Waltz(#3)はEnrico Pieranunziが参加していたTerje Gewelt「Oslo」(過去記事はこちら)でも収録されてますが、こちらはAntonio Sanchezのドラムのプッシュの具合が全然違いますね。

前作のライブものですが、Youtubeで彼のソロのワンシーンがアップで紹介されてましたので、紹介しておきます。





Personnel
Enrico Pieranunzi : Piano
Scott Colley : Bass
Antonio Sanchez: Drums

Tracks
1. No Improper Use
2. Detras Mas Alla
3. Blue Waltz
4. The Slow Gene
5. Which Way is Up
6. Where Stories are
7. Flowering Stones
8. The Real You
Recorded in New York on 22, 23 February 2011 at Avatar Studio

Rel:2014 Camjazz CAMJ 7875-2

5 件のコメント

  1. こんにちは。なんで録音から3年も置く必要があったのかは謎ですが,最近のCAM Jazzはこういうことばっかりしてますよね。

    それはさておき,一般のEnrico Pieranunziのイメージからすれば,これは相当ハイブラウと言ってもいいかもしれませんが,ここのところの彼のアルバムは結構ハードな側面が出てきていますよね。私はこれはこれでいいと思いますし,やっぱりいいメンツだなぁと思えます。昨年来日したGrenadier~Ballardとはレコーディングするのかも興味深いですが,したとしても,出るのはずっと先かもしれませんね。

    ということで,URLを貼り付けさせて頂きます。
    http://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2014/05/enrico-pieranun.html

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  2. 音楽狂さん、今日は。
    作品も鮮度が命?だと思いますが、まあ知らなかったことにして素晴らしい作品を届けてくれるのでいいかなと思います。
    メルドーがエンリコに変わるとどうなるか、いつか聞けることを楽しみにしてます。リンクありがとうございました。

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  3. こちらからもリンクさせていただきます。
    同一メンバーによる前作に続き、本作でもこのメンバーならではの演奏が繰り広げられていてとても良かったです。
    しいていうと後半にもガツンとくる曲が欲しかったです。

    http://narymusic2010.blog90.fc2.com/blog-entry-3152.html#comment7369

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    1. naryさん、コメント&リンクありがとうございます。
      最初の曲の印象からはもっとガツンとくるかと思ったら、意外にバラード的な曲が多かったですね。スコットコリーの出番が増えたのがいいバランスになってよかったです。

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  4. Suzuckさん、こんにちは。
    アントニオサンチェスはもっとコワモテな曲が多かったら、不義理なかきかた(?!)にはならなかったでしょうね。聞く側からはこのくらいでよかったんですけど。
    リンクありがとうございました!

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