上原ひろみ The Trio Project / Move

2014/04/05

ジャケット
上原ひろみ (p,key)
Anthony Jackson (contrabass guitar)
Simon Phillips (ds)
Recorded at Aire Born Studios, StudioA, Zionsville, Indiana, April 18-21, 2012
Rel:2012 TELARC TEL-33814-02


今年の5月にThe Trio Projectでの"Alive"がリリースされるようです。
このプロジェクトでの作品を最近仕事の移動中に聞く機会が再び増えてきました。この作品もリリースした後すぐに手に入れたんですが、"Voice"(2011)の方のがしっくりきて、あまり集中的には聞くことがなかったと思います。

The Trio・・凄いメンバーだということは知っているけど僕の聞いてきたジャズやUS/UKロックでは登場してこないなと思ったら、Anthony Jackson(アメリカ出身,'52生まれ)は幅広いジャンルで活躍しているセッションマン、Simon Phillips(イギリス出身,'57生まれ)は熱心には聞いていいないハードロックやTOTOのドラマー(Jeff Porcaroの後任)で、この組み合わせを実現させた上原ひろみの音楽の下地が垣間見れた気がしました。そんな意味でも、CDショップではジャズにカテゴライズされてますが、攻撃的な曲想やビート、コンセプト的なアルバム作りなどはロック・ポップスに置かれた方がもっと幅広い層にリーチされるのになぁ(十分ポピュラーな存在ですけど)と思ったりしました。

それはそうと、この作品のライナー(EU盤のほうで、当然英語ですが・・)にはこのアルバムの各トラックのイメージ的なことを上原ひろみ自身がコメントしていて、まとめると、'1日の時の移ろい'≒"Move"という意味が込められているんですね。コンセプトアルバムというかプログレというか。

ということでMove(#1)から1日がスタートするんですが、目覚ましクロックのようなタッチから身体を揺り動かされているようなヘビーな低音のリフとSimon Phillipsのハードロックな激しいビートで突入する導入部分で、穏やかな1日ではなく、賑やかな1日になりそうだと予感させます。
爽やかで瑞々しい朝のようなバラードBrand New Day(#2)、仕事に行くシーンを謎がけしつつ遊び心溢れる音をキーボードで表現したEndeavor(#3)、切ないメロディからThe Trioの深化したコンビネーションがたっぷり味わえるRainmaker(#4)、曲単位でもっともプログレを感じるリフが刻まれ組曲が展開される#5,6,7といった具合に、明・暗・静・動を時間というフィルターで意図的に交互に配置しているようですね。
そしてラストは1日の終わり。11:49PMなので12:00PMまで残り11分で11分29秒の曲。CD聞き終えると次の日になっているという仕掛け。エンディングというよりいつまでも続くようなフレーズが繰り返されていて、なかなか感動的です。

それにしても上原ひろみのイメージする1日って、彼女の作品やパフォーマンスから強く伝わってくるように、とてもエネルギッシュで聞く側も受け止めるパワーが必要な作品だと感じさせられました。


目覚まし代わりに、Move(#1)のBNライブ。
Anthony Jacksonの6弦ベースも見れます。




Tracks
1.Move
2.Brand New Day
3.Endeavor
4.Rainmaker

-Suite Escapism-
5.Reality
6.Fantasy
7.In Between

8.Margarita
9.11:49PM

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