Thomas Savy (bcl)
Bill Stewart (ds)
Scott Colley (b)
Rel: 2009 Plus Loin Music
blogの諸先輩方で大絶賛の作品がこれ。聴いてみたかったんだよなぁ。
フランスのThomas SavyがBill Stewart&Scott Colleyに挑んだ(ようにみえるので)珍しいバスクラトリオ。Thomas Savy自体は初聴きだしバスクラ自体もChris Potterぐらいでしか聴いたことがないものの、Bill StewartとScott Colleyという白人リズム隊では最強ともいえる二人と、勝負せざるをえないトリオ編成で演奏しているのでつまらないわけはないと思いゲットした次第。
アルバムタイトルが"~Suite"とあるとおり、"組曲"という言葉を使っているんで、Thomas Savy的にはコンセプチュアルな作品という位置づけなんだろう。個々の曲はPartⅠ~Ⅶの彼のオリジナルに加え、EllingtonとColtraneの作品が最後に加えられ、その間に"Ⅳb-L&E"("a-E&L"の逆)という曲を挟んでいる。何か意味をもたせたのだろうか?
バスクラの音のイメージはキレは皆無でコクで勝負!という感じだったけど、PartⅠを聴いてその先入観はなくなった。懐かしげな旋律から幕を開けるんだけど、Bill Stewartの扇情的なシンバル(?)が何発かは入るとぶち切れたかのようにSavyも猛進。こんなにキレがある音だったのか!?バスクラって。PartⅡはこんどはScott Colleyのぶっとくて弾力のあるリズムでボディをうたれたか、Savyはかなりモーダルに吹き出す。ボディをうたれBill Stewartに鞭をうたれ、吹きまくるしかないSavy。かなりのインタープレイじゃないっすか!音色的には暖かい部分を残しながらも、Chris Potterの吹くバスクラとは趣が異なりかなり刺激的なサウンド。いいかも。
PartⅢ以降手を抜いて省略してしまうが、名手二人に挑んで勝負するにはトリオという逃げ場のない環境に追い込んでMaxの実力を出し切るしかない。当作でのThomas Savyは自力でそれに成功したんじゃないかな。
オリジナルではない2曲のうち#10のColtrane曲では、男の生き様を感じさせるようなスピリチュアルなフレージングでグッときたところでジ・エンド。"ガッツ"オブザイヤー(なんじゃそりゃ?)はこの作品に決定でしょう。
次の作品以降もアメリカで勝負して欲しいもの。Kasper Villaumeなどのようにいっときアメリカでやってたのに今いずこ?ってことにならないでほしいもん。
書き加えておくと、録音が素晴らしいっすね。ベースは太くかつ強くて弾力性があるし、Bill Stewartのマジカルなシンバルは抜群の奥行きと音の拡がりで表現できているし。いうことのないブルックリン録音でした。
Tracks
1.PartⅠ-Ouverture
2.PartⅡ-Ignition
3.PartⅢ-Atlantique Nord
4.PartⅣa-E&L
5.PartⅤ-My Big Apple
6.PartⅥ-Stones
7.PartⅦ-Ballade de Stephen Edward
8.Come Sunday(D.Ellington)
9.PartⅣb-L&E
10.Lonnie's Lament(J.Coltrane)
追記
中年音楽狂さん「Thomas Savy:バスクラ・ピアノレス・トリオへの挑戦は大成功」はこちら
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