Marcus Strickland / Of Song

2009/12/14

Marcus Strickland (ts&ss)
Brandee Younger (Harp) on #2
David Bryant (p)
Ben Williams (b)
E.J. Strickland (ds)
Rel: 2009


久しぶりのJazz盤です。
若手サックス奏者のバラードアルバム。バラードアルバムってそんなしょっちゅう聴けるものではないけど、自分の疲労度合いや精神状態によっては聴きたい欲求が高まることもあるので、それなりに存在意義ってあるんだろう。(僕もこの2週間は仕事の山があったり身内の不幸があったり疲れ切ってましてorz。)

当作はメンツみても両Stricjland(双子兄弟)以外ははじめて聴くことになるはず。ベテランアーティストがバラード集をやると雰囲気だけで演奏自体に面白みがないものが多いけど、若手のものは意外と聴きどころがちゃんと用意されている気がしていて、興味がかき立てられるものが比較的多いね。
曲は#3"What's New"と#5"Pinocchio"以外は知らない曲たち。といってもオリジナル曲はラストのみで他はスタンダードなのかな?
#1は木管の美味しいところを聴かせてくれる。サラっとした流れのメロディだけど小刻みにリズムは刻まれていて雰囲気だけにしていないのがポイント。#2はHarpの音色をフィーチャした東洋的な雰囲気を作っている。#3はコルトレーンのBalladsを彷彿させるようなStrickland兄弟のかけあいが刺激的ですね。David Bryantのピアノの音は丸くでていてコルトレーンの"Ballads"のイメージを増幅してるのかな。
Bob Marley作品の#4はこの作品の中ではリズムが動的。同じフレージングが繰り返されるけど、徐々にBen WilliamsとE.J.に触発されるようにピアノのDavid Bryantと主役のMarcusも熱い演奏に変わってくるあたりが聴きどころ。(このあたりは、Venusレーベルの"作られた"バラード集とは違うね)
Shoter作品の#5は当作で一番おとなしめな演奏だけどBen WilliamsのソロやDavid Bryantの"寄り添わない"フレーズがいい。#6James Brown作品ではワルツっぽいリズムをE.J.が作り出してMarcusもそれに応じてかなり熱を帯びたフレーズが放射されてくる。Ben Williamsのアルコソロも聴きどころでベースの胴鳴りも感じられて気持ちいいです。
#7では暖かみのある軽めの始まりから長めのベースソロが展開。特にしゃしゃりでるタイプではないけど、音の太さと空気の読めるフレーズで存在感を強く感じさせるタイプですね。#8はアメリカンロックの良心と言われるBruce Hoensbyの作品。キーボーディストの作品だけあって、David Bryantのピアノが先頭をきってそこからStrickland兄弟が盛り上げるという構図。この曲、コンパクトだけどいいメロディだなあ。ラストはオリジナル曲。やっぱり一番モーダルな雰囲気。E.J.のシンバルの音の膨らみも素晴らしい。

バラード集ではあるけど、曲の出所がレゲエやソウル・ロックから引っ張り出されていることもあって、リズムやメロディにバリエーションがあるけどトータルでは落ち着いた雰囲気で統一されていて、プレーヤーに載る機会が増えそうな1枚ですね。


Tracks
1.Ne Me Quitte Pas
2.Djorolen
3.What's New
4.Is This Love?
5.Pinocchio
6.It's A Man's Man's World
7.The Party's Over
8.Shadowlands
9.A Memory's Mourn


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