Kenny Garrett / Beyond the Wall

2009/10/21

Kenny Garrett (as)
Pharaoh Sanders (ts)
Bobby Hutcherson (vib)
Mulgrew Miller (p)
Robert Hurst (b)
Brian Blade (ds)
Rel 2006


今晩は僕にとっては高難度アーティストN0.1のKenny Garrettの2006年ものを。万里の長城がフィーチャされているジャケのとおり、彼が中国訪問によってインスパイアされたことが作品に色濃く反映されているとのこと。買った時はそんなことどうでもよくて、何せこのメンバー構成、聴かなきゃ嘘でしょというわけで発売日に買ったっけ。また諸先輩方がご指摘されているようにコルトレーン中期が前提なんだというグルーヴ感、近年の作品では丸くなってきたMulgrew Millerが超強力リズム隊とどうガッツリ組むか?など興味は尽きなかったんですが・・。

作品はというと、空気感がアメリカやヨーロッパから発せられる「ローマ字」的な音楽とは大きくちがって、これは悠久4000年の歴史がそこはかとなく散りばめられた「漢字」の音楽です。お経の#4なんてまんまだし、癒しの弦楽器(なんというんだろう?)がフィーチャされた#5も。救いは、正統的な(?)Jazzは#1や#2でめっちゃモーダルで濃密凝縮なフレージングで順調な滑り出しで、タイトル曲はいつ聴いても鳥肌ものなんですけどね。

たまーにこの濃密で異空間の音楽が聴きたくて取り出すけど、聴き終わるとズシっと疲労感におそわれる僕にとっては気軽に聴けない「壁」がそびえている1枚です。タイトル曲だけ聴くことが多いかな?
もっとストレートな感じでこのような濃厚な音楽を彼には聴かせて欲しい・・というのは勝手な希望でしょうかね。


Tracks
1. Calling
2. Beyond The Wall
3. Qing Wen
4. Realization (Marching Toward The Light)
5. Tsunami Song
6. Kiss to the Skies
7. NOW
8. Gwoka
9. May Peace Be Upon Them



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