クリポタ連鎖 Kasper Villaume / Hands

2009/09/08

Kasper Villaume(p)
Chris Minh Doky(b)
Ali Jackson(ds)
Chris Potter(ts&ss)
Rel: 2005


初体験が肌に合わなかったのか全く気にしていなかったクリポタことChris Potterだけど、ここ1年ちょいくらいで購入しているCDに結構紛れ込んでいて「どうなんだろ?」程度に気にし始めてました。つい最近そのクリポタの新作がリリースされるにあたり、Jazzリスナー&bloggerの諸先輩の皆様のレビュー(僕がJazzの土俵を大きくしてきている参考書)では絶賛というか、「はまる」類のコメントが続出。これは本腰入れて体感してみないと思って、今日から何回か所有しているクリポタ参加盤をご紹介することにしました。

とりあえず初回は、クリポタ参加で最古参の所有盤を。この盤を購入した時、Villaumeの当時の前作"117 Ditmas Avenue"(DrumsがJeff Tain Wattsのやつ)がちょいいびつなバランスで不満が残りメンバー変えたらいいなと思っていたので、メンバー変更は大きくプラスと感じた記憶があります。通して感じるのは"117・・"より録音のせいもあるけど、Ali Jacksonのドラムスが腹にきて気持ちいい!!ということ。

#1の名曲"Green Chimneys"からスタート。この曲が初っぱなって凄くアルバムの方向性が見えていいっすね。演奏自体はもう少し重心低くピアノは行って欲しかったけどアリクリクリの3人の音がボンっとドスッとブリっといってて気持ちいいです。次の#2"Captain Kirkland"、これが僕のベストトラック。思いっきりAliのドラムスとクリポタのうねりが楽しめる名演。Kasperのピアノって高い音のフレーズが特徴あるなあ。メカニカル(って表現でいいのか?)に叩く感じが脳味噌に触ってきます。
#3はバラード。アルバムの流れ上入れたのかも知れないけど、個人的には「いらない」。
次の#4のスタンダード"Gone"ではクリポタはソプラノを吹いてます。このフレーズ聴いたことがあると思ったら、ルパン三世のテーマの一部に似ているかも。ソプラノの鼻につくような高音とピアノトリオの重心の低さのコントラストが"ノリ"を増長してますし。これもかっこいい。
#5はタイトル曲のオリジナルブルース。クリポタがブルースっぽく作るフレーズって珍しい感じ。#7はDoky曲、"The Sniper"の曲名通りベースラインが何かを狙っている感じが出ていて面白いですね。次の"Meaning of The Blues"はピアノトリオでのバラード。トリオだけだけどアクセントになっていい感じです。ラスト曲はVillaumeのオリジナル。ここでもVillaumeの高音でのフレーズのメカニカルな感じが耳つくけど、このアルバムで何回となく登場していてちょっとパターンが少ない気がしますね。そんでも曲名通りサックスとドラムスのグルーヴィなところが堪能できるところが聞きどころでしょうか。
まっとうな4ビートアルバムでのクリポタは今となっては暴れ足りないかも知れないけど、リズム隊とのグルーヴ感のだしかたなんかは最高です。(ちょっとDokyが影薄い気がするけど・・)

なんといってもこの盤はオーディオ的な音のバランスが重心低く採られていて、それだけでポイント5倍ですね。これは理屈云々ではなく体感するアルバムと実感しました。


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