Keith Jarrett, Gary Peacock, Jack DeJohnette / Somewhere

2013/09/16

Keith Jarrett (p) 
Gary Peacock (b)
Jack DeJohnette (ds)
Recorded Live July 11,2009 at KKL Luzern Concert Hall
Rel: 2013 ECM 2200


"マンニィ"と名付けられている台風18号が愛知県に上陸、こちら東京も風が強くなってきているようです。今年上陸する台風は少ない気はするものの、その分風雨の強烈さが半端じゃなく被害が大きくなっていて疎ましいですね。

そんなわけで台風が抜けるまで家でじっとしつつ、早く聞きたいと思いつつリリースから大分経ってしまったところもありますが、Keith Jarrettの新作を聞いてみました。どうもここ数年のキースのトリオ作品は食指が動かずご無沙汰になってましたが、あけてみると相変わらずプレイタイムの割に曲数が少なく10分超え(最長で19分!)のトラックも3曲とにんまりしてしまいました。

しょっぱなの短いピアノソロ"Deep Space"でのヒンヤリした静謐なフレーズから、Gary Peacock・Jack DeJohnetteが加わって暗めの即興が展開される盛り上がる"Solar"がちょっと新鮮。キースの雄叫びもボリューム控えめながらノっています。言い方悪いかも知れないけど、Standards Trioってもっと古くさい(聞き慣れた?マンネリ?)フレーズを積み重ねての即興ってイメージがあったので、意外なところで嬉しさ発見。
続く有名だけどあまり聞いたことがない#2での懐かしさ溢れるバラードやこの作品の中では最も軽妙にスウィングする#3は、次にくる19分間の集中のために折り合いをつけているような演奏。この作品のクライマックスは文字通りタイトルトラックの"Somewhere/Everywhere"。L.Bernsteinの"Somewhere"から淡々としたリズムで2つくらいのフレーズが延々と続く"Everywhere"はRavelのBoleroのような中毒性があります。
リスナーに中毒性を与えつつ続く2曲はおなじみのStandards Trio。L.Bernsteinの#5は明るく軽快なフレーズでJack DeJohnetteがようやくドラムソロの出番も。。そういえばドラムソロ少なかった気もしますね。ラストにはバラードの定番"I Thought about You"を甘く美しいトリオで。


起承転結が出来ていてアルバムとしては完成された構成なんですが、贅沢を言うと#1とか#4のような感じのイマジネーションの集中力を感じられる演奏がもう1曲はいっているとよかったなってのが感想ですね。


Tracks
1.Deep Space/Solar
2.Stars Fell on Alabama
3.Between Devil and The Deep Blue Sea
4.Somewhere/Everywhere
5.Tonight
6.I Thought about You



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