Sam Yahel / Hometown

2009/08/31

Sam Yahel (p)
Matt Penman (b)
Jochen Ruckert (ds)

Rel: 2009


この夏から個人的に注目レーベルとした"posi-tone"から。このレーベルからは、僕がblogを始めてJAZZ作品2作目で紹介したRalph Bowen"dedicated"もリリースされている。(Bowenの時はパッケージがしょぼくて自主制作かと思ったけど。)
Sam Yahelといえばクリスクロスレーベルの諸作で、オルガン奏者として名は上げている。僕はオルガンというとまだJimmy Smithの暑っ苦しいイメージがあって積極的に聴いていなかったんだけど、どうもこれはまっとうなピアノトリオだということと、メンバーもMatt Penman(派手さはないけどかっこいいベース弾き)が参加している。ドラムスは残念ながら初対面だけど、トリオなら3人中2人がOKならいけると踏んで購入を決断。(ほんと限られた予算からなので大げさだけど決断なんです)

初っぱなのJohn Lennon曲"Jealous Guy"でのソウルフルなテイストの弾き方で"当たり"の予感。味わい深い音の響き。じわっとくる弾き方がいい。2曲目のモンク作品"Think of One"ではオルガン奏者というイメージが嘘のようにメカニカルにがんがん弾きまくり、さらにちょっと脱線していく(ちゃんと戻ってくる)感じがいいなあ。3曲目のエリントンナンバー"Blue Pepper"はブルースロックっぽいリズムでこれもちょっと脱線してちゃんと戻ってくる。
4,5曲目はオリジナル。4曲目のアルバムタイトル曲は純粋な4ビートだけどスピード感溢れるリズムがかっこいい。初耳のJochen Ruckertのシンバルがいいっすね。
5曲目は"oumou"というちょっとアフリカンな感じの曲名。Matt Penmanのじわっと太いソロから。アルバムではじめてスローな感じの曲。ただこの曲は凝った構成でブルースな序盤からハンコックぽい手数になって、後半はまたPenmanのちょっとダークなフレーズでしめるといった塩梅で曲の構成がかっこいいんだなあ。この曲がベストトラックとしてみよう。
6曲目はBebel Gilbertoという女性ボーカルの方の作品で"River Song"。ちょっとここで似たリズムが多いなあと若干感じる。次の"Moonlight in Vermont"はもっとも音数が少ないバラード。一音一音はっきりとした弾き方だけどリズムは4ビートベースだけど一筋縄ではいかない感じ。ちなみにこの曲が6曲目の方が流れ的にいい気がする。8曲目Shorter作品"United"、9曲目のスタンダード"My Ideal"。これもちょっと似たスピード感の曲だなあ。ラストはYahelのオリジナル。ちょっとおかしなマイナーな曲調のブルース。これは味があっていい感じ。
全体を通して、
◎ベースの音が太くて重心が低い録音は最高レベル!!
◎1曲1曲はかっこいい
△アルバムの流れは個人的には曲順がイマイチ。リズムが似た曲が多くてだれる嫌いが。
てな感じですが、曲順を個人的に変えて聴いたところ、マジで良かった。Producerの問題か?
それにしてもposi-toneあなどれず。(パッケージはプラケースで、Bowenのアルバムのようなうすっぺらな紙ジャケではありません。悪しからず・・・)


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