ブラックを背景にしたデザインのジャケットが素晴らしくクールに感じた、トランペット奏者Philip Dizackの2013年作品。
伝統的なジャズの枠に収まらないより"新しさ"を体験できる予感がする、Eric Harland、Joe Sandarsのリズム陣や、Taylor EigstiやTigran Hamasyanのアルバムにも参加しているサックスのBen Wendelなどのメンツが魅力的です。
全11曲中7曲がDizackのオリジナルで、他の4曲は、ピアノのEden LadinのJacob and The Angel (#2)、Joe SandarsのちょっとBrian Blade Fellowshipの楽曲に通じる味わいがあるJoy and Sorrow (#8)を提供、残りの2曲はギタリストLionel LouekeのBenny's Tune (#3)、Duke EllingtonのI Got It Bad and That ain't Good (#11)。
タイトルトラックのイントロからスタートし、#2ではトランペット・ベースのデュオ、Book of Stones (#7)ではトランペット・ベース・ドラムのトリオ、ラストはソロと、アルバム構成はトータルでよく考えられたもので、このプロデュースのやりかたは、昨今のジャズ作品で特によく感じられるところです。
演奏はコンテンポラリーな地味目なメロディの曲が多いにも関わらず、Philip Dizackが強く輝きのあるフレーズを放つ一方、Ben WendelのサックスやEden Ladinのピアノがクールに応酬したり、Take Me with You(#4)やTwins of a Gazelle (#6)などを中心にEric Harlandのカラフルなリズムが強力にプッシュされていたりで、聞きどころが多いですね。
Philip Dizackは基本的には派手めな演奏が得意だと感じましたが、ソロやデュオでのくすんだ感じのかったるいフレーズの吹き方の時はTom Harrellを彷彿させたりして、実はレンジの広いトランペッターだと思った次第で、これからちょっと追っかけていきたいと思います。
Take Me with You(メンツ違いでのライブ)
Personnel
Philip Dizack : trumpet
Ben Wendel : tenor sax
Eden Ladin : piano
Joe Sanders : bass
Eric Harland : drums
Tracks
1. Single Soul (Intro)
2. Jacob and The Angel
3. Benny's Tune
4. Take Me with You
5. Single Soul
6. Twins of a Gazelle
7. Book of Stones
8. Joy and Sorrow
9. It's not Just in Some of Us
10. Sasha Anne
11. I Got It Bad and That ain't Good
Rel:2013 Criss Cross Jazz 1363
Recorded January 29, 2013 in Brooklyn, NY, USA
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