去年の秋頃にはリリースされていたポーランドのピアニスト、Marcin Wasilewski TrioがサックスのJoakim Milderを迎えての新作。トリオ名義としては前作が2011年だったので3年ぶりですが、Jacob Youngとの作品などもありご無沙汰感は皆無ですね。
今回サックスで参加しているJoakim Milderは初めて聞くんですが、スウェーデン出身で1965年生まれ。 Tomasz Stanko・Bobo Stenson・Palle Danielssonなど北欧の主要な面々の作品に参加しているようで、なかなかのベテラン。
アルバムは全11曲で、オリジナルのほかに地元のポップ(?)グループの作品"Do Rycerzy, do Szlachty, do Mieszczan"(#4)、Policeの"Message in A Bottle"(#5)、ポーランドのミュージシャンがよく取り上げるKomedaの"Sleep Safe And Warm"(#6)、Milderのオリジナル"Still"(#8)、Hancockのファンク"Actual Proof"(#9)など、ポップスやファンク、クラシックからの選曲となっているのが、Marcin Wasilewskiのバックボーンを垣間見れて面白いです。
サックスが入っても、Wasirewskiトリオが描く美しさや優しさ・懐かしさが溢れる、メロディと演奏は不変。1曲目スウィートな名曲Austinで否が応でもこの世界に引き込まれていきます。続くSudovian Danceからの3曲や#6,8はMilder入りで、ECMレーベル独特の楽器の響かせ方もあるのか、ふわっと浮遊感があるサックスがじわじわと懐かしさを感じさせます。その中で少しダークでアグレッシブな演奏となっている#5、#7、#9はトリオ編成であることがサックス入りとの対比でも面白いです。普通逆になる気がするんですけどね。
編成や楽曲などは意外とバリエーションがあったりしますが、アルバムトータルから訴えてくるヴァイブレーションには統一感があり、1度わしづかみにされてしまうと引き込まれる素晴らしい作品ですね。
Personnel
Marcin Wasilewski : piano
Slawomir Kurkiewicz : double bass
Michal Miskiewicz : drums
Joakim Milder : tenor saxophone #2-4, 6, 8
Tracks
1. Austin - in loving memory of Austin Peralta -
2. Sudovian Dance
3. Spark of Life
4. Do Rycerzy, do Szlachty, do Mieszczan < Pawel Krawczyk, Katarzyna Nosowska, Marcin Zabrocki >
5. Message in A Bottle < Sting >
6. Sleep Safe And Warm - from "Rosemary's Baby" < Krzysztof Komeda >
7. Three Reflections
8. Still < Joakim Milder >
9. Actual Proof < Haerbie Hancock >
10. Largo - from : Sonata No.2 for piano (1953) -
11. Spark of Life
Rel:2014 ECM Records GmbH ECM2400
Recorded March 2014 at Auditorio Radiotelevisione svizzera, Lugano
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