今回のブラジルW杯をみていると、ドイツのManuel Neuerをはじめとして、あなたは若林なのか若島津なのか?と思えるようなスペシャルなスキルをもつキーパーが世界にはたくさんいるんだなぁと実感している今日この頃。
群雄割拠という意味ではジャズ・ドラマーもまさにそうだと思いますが、このJohnathan Blakeもそのひとり。Tom Harrellのレギュラーバンドをはじめ多くのアーティストの作品に参加していますが、2年前のリーダー作『The Eleventh Hour』(2012)で、アルバムアーティストとしての才能も開花したことは記憶に新しいです。
そんな彼の新作はコードレス、サックス2管のカルテット。前作に続いてのBen Street、Mark TurnerにChris Potterが加わっています。
アルバムのテーマはタイトルやライナーにもそのくだりがあるように、先達へ捧げることをテーマにしているようです。からがありました。同様なテーマとしては Ralph Bowen も『dedicated』('09)で取り上げていますね。(昨日もう1人そこに加わっていってしまったCharlie Haden。ありがとう。)
”All the tunes here are chosen in honor of recently departed jazz greats, and yet the spirit is celebratory and affirming, not funereal. (ライナーノートより)
楽曲はトラックリストの通りリスペクトしている"Jazz Greats"の作品と、Johnathan Blakeのオリジナル2曲。(Jazz Greatsとはいえ修行が足りないようで、知らない人が何人も・・) 全体としては、ジャズメンオリジナルが大半を占めていることもあって前作のようなサウンドの斬新さはないものの、このメンツですからダークな色彩に統一されていますね。それに、コードレスということもあってアドリヴの連続といった様相が強くて各メンツのパフォーマンスも堪能させてくれながら、しっかり楽曲の展開を収斂させているところはさすが。Blakeがフル回転するドラムソロが少ないのとトレードオフとなっている気もしますが。。
クリポタとMark Turnerのファンキーなブルース Cry'in Blues (#1) を聞きながらライナーを読んでいると、どうも左chがクリポタ、右chがMark Turnerみたいです。そこから聞いていくと、この2人の音の違いが聞き取れる気がして、この作品の楽しみ方の1つになりそうです。
このバンドが生まれるきっかけは"The Jazz Gallery"でのライブがドタキャンになったことだそうです。そのときのかどうかわからないのですが、"The Jazz Gallery"でのこのカルテットのライブ映像をおまけにどうぞ。
Personnel
Johnathan Blake : drums
Chris Potter : tenor sax, alto flute
Mark Turner : tenor & soprano sax
Ben Street : bass
Tracks
1. Cryin' Blues (Eddie Harris)
2. Firm Roots (Cedar Walton)
3. Maracas Beach (Sid Simmons)
4. All Across The City (Jim Hall)
5. Broski (Charles Fambrough)
6. Born Yesterday
7. Circle Dance (Paul Motian)
8. New Wheels (Mulgrew Miller)
9. Anysha (Trudy Pitts)
10. The Shadower
11. Two For The Blues (Neil Hefti)
Recorded on Feb 20, 2014 at the Samurai Hotel Recording Studio, Astoria, N.Y.
Rel 2014 Criss Cross Jazz 1368
こちらからもリンクさせていただきます。
返信削除本作ではポッターとターナーの奏法の違いが堪能できたのですが、肝心のジョナサンのドラミングはちょっと当たり前すぎたかなという印象でした。
でも元曲(マニアックな選曲にはセンスの良さを感じます)のイメージを損なわずに、これだけ現代的なドラミングができれば十分なのかもしれません。
http://narymusic2010.blog90.fc2.com/blog-entry-3175.html
naryさん、こちらもリンクありがとうございます。
削除ジャズメンオリジナルの楽曲やレーベルのカラーがそうさせてるのか、前作のようなビートの多彩さはやや抑え目ですね。
でもブレイクのドラミングとしてはこちらの方が個人的には新鮮だったです。
Suzuckさん、リンクありがとうございます。
返信削除復活のマーク・ターナーがクリポタとバッチリユニゾンしてて、音色もわかって味わいがいのあるアルバムでした。
チャーリーヘイデンはとても寂しいし、いろいろな作品、それもラストのキースとのアルバムとか、わかってからは聞けなくなってしまいそうです。
ブログタイトルの件、大変失礼しました。早速修正致しましたのでご報告しておきます!