Fred Hersch Trio +2

2014/03/15


2002年リリースのトリオ編成でのライブ"Live at The Village Vanguard"(先日の記事の翌年にレコーディングされた、タイトル通り2管を加えた2004年作です。

ライナーを読むとDrew Gress・Nasheet Waitsとのトリオで約3年の活動とそのVillage Vanguardのライブで大きな手応えを感じ取り、さらにこのトリオを進化させようとのことで+2に行き着いたとあります。Fred Hershってリリカルな側面だけだとNasheet WaitsやRalph Alessiムズカシイデュオ作しか聞いてないんですが・・)というセレクトはない気もしますが、Herschからするともっとストロングかつコンテンポラリーな感覚を創り出せるバンドを組みたかったのかも知れませんね。まぁバンドというより文字通りトリオに2人加えるとって演奏ではありますが・・。

And I Love Her(#2)以外、Herschの新旧織り交ぜてはいるもののオリジナルの曲で構成されています。5人となったこともあるけどアドリブ的な部分は少なくて、曲で描かれる世界をきっちり配置されたようなアンサンブルで演奏しています。僕にも分かるような明るめなフレーズを奏でるRalph Alessiがちょっと嬉しいA Riddle Song(#1)で始まるので、メロディ的にも暖かめな作品かと思いきや次のAnd I Love Herからはどちらかというとややダークでマイナーなフレーズをベースに、Herschが美しいフレーズを塗していくというのがこの作品の基本線。特に前半#4まではその印象が強くて、+2の2人もきっちりHerschのフレームに収められているかのよう。
Lark(#5)からはそれまでのやや暗めの楽曲の世界から、Herschの最大の魅力だと思っている力強く凛としたフレーズが連発されていきます。その結晶のようなバラードのA Lark(#5)、Rain Waltz(#7)や珍しくシンプルにトリオでスウィングするMarshall's Plan(#8)、Herschを聞いているととてもお馴染みになる懐かしく暖かみのあるメロディがほっこりくるDown Home(#6)やLee's Dream(HerschとMalabyのデュオ)ときて、ラストは最も即興的・ブルージーな演奏で締めくくります。

メロディにしても演奏にしても、前半は硬さやダークなイメージではありましたが、後半もっと美的でリラックスしたものとなって、聞き始めと終わりではだいぶ受け取る印象が変わる作品かもしれませんね。

このバンドまとまりでの動画は皆無だったこともあり、それぞれ別のグループで組んだことあるつながりの動画をご紹介しておきます。


'Rain Waltz'(#7) Herschトリオ(といってもこのトリオではなく、最新型のほう)


Nasheet Waits と Tony Malaby


Drew Gress と Ralph Alessi (with Chris Potter、Mark Ferber(!!)、Andy Milne)


Personnel
Fred Hersch (p)
Drew Gress (b)
Nasheet Waits (ds)
Ralph Alessi (tp,flh)
Tony Malaby (ts)


Tracks
1. A Riddle Song
2. And I Love Her
3. Miss B.
4. Black Dog Pays A Visit
5. A Lark
6. Down Home
7. Rain Waltz
8. Marshall's Plan
9. Lee's Dream
10. The Chase

Recorded at Maggie's Farm on September 22, 2003
Rel:2004 Palmetto Records PM2099

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