Ari Hoenig / Lines of Oppression

2011/05/01

Ari Hoenig (ds,vo)
Tigran Hamasyan (p,vo,Beatbox)
Gilad Hekselman (g,vo)
Orlando Le Fleming (b) on 1,3,5,6,7,8
Chris Tordini (b) on 2.9.10 ,(vo)
Rel: 2011 naive NJ621111
Recorded on Jan 19,20,21,2010 at Peter Karl Studios,Brooklyn,NY


彼のリーダー作は自らの武器を出し切ることと作品としてのバランスを両立していて楽しみ。これまでの「Inversations」「Bert's Playground」もあくまでもドラマー目線だったけど、趣味に走りすぎないバランスと優れたソングライティング能力が発揮された聴き応えのある作品だった。今作は前作から引き続きとしてはギターのHekselman、ベースの Le Flemingで、注目はいかにもHoenigの難解なとこにフィットしそうなHamasyanの参加でしょう。収録は#5,6,9といったスタンダードやHamasyanオリジナルのラストを除き、Hoenigのオリジナルが大半でそこも聴きどころ。
もともと拍子とかよくわからないんだけど、これぐらい1曲の中で変わってくると「変拍子」たるものが分かるほど、瞬発力が問われる曲でいっぱい。熱く迫ってくる#1,2はそんな曲の看板的な役割でいい意味で"Oppression"を感じる。アクセントになっているバラードの#3はシンセ的な効果を狙って(?!)彼らのハーモニーが聴け、前作のメロディ奏法を拡張したような#4は表現のしようがないようなリズム口(くち)とドラムのインタープレイ(?)が聴ける。あ~ビックリした。
で、そのメロディ奏法をアドリブにも適用した#6"Moanin'"は驚きのテクニックと原曲のブルースフィーリングがばっちりあった名演。ほんと凄い耳してるよねぇ。ここで聴けるHekselmanのソロ(黒っぽさはないんだけどかっこいい)や手数を落としてフィーリングを大切にした弾き方を感じるHamasyanのソロもいいっすね。進むなあ・・。
どこかで聴いたことがあるような曲想の#8もモンク的な感じがあってHoenigのテクニックと一瞬モンクなHamasyanの絡みがいい感じ。続くスタンダードの#9からHamasyanオリジナルの#10は切れ目なし。#9のとこは原曲がかすかに分かる程度で、音階とリズムとインパクトで三次元的に揺さぶり幅が凄いなあと感じ入っていたらラストに突入。盛り上がっりっぱなしのラストだが、Hoenig・Hekselman・Hamasyanと入れ替わり立ち替わりこっちに迫りまくる間隔が圧倒的。これがこの作品のタイトルの意図したことなのか。。いずれにしても前作よりロック的なカタルシスがHamasyan参加により増幅されたと感じた圧倒的な1枚といえるでしょう。


Tracks
1.Lines of Oppression
2.Arrows and Loops
3.Wedding Song
4.Rhythm
5.Rhythm-A-Ning (T.Monk)
6.Moanin' (B.Timmons)
7.Love's Feathered Nails
8.Ephemeral Eyes
9.How High The Moon (M.Lewis)
10.Higher To Hayastan (T.Hamasyan)

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