Joel Frahm with Brad Mehldau / Don't Explain

2014/10/19


Joel Frahmは今年リリースされたOmer Avitalの「New Song」で、ホットで歌心満点な吹きっぷりが好印象でしたが、こちらはリーダー名義でBrad Mehldauとのデュオ作品。ライナーにもこのふたりが出会いからこれまでをそれぞれ綴っていますが、1970年生まれの同級生で高校生の頃からの友人とのこと。

選曲はFrahmの"Away From Home"(#8)を除いて、親しみのあるスタンダードの楽曲が中心。バラードの"Don't Explain"で始まることからしてゆったりとした暖かいFrahmのサックスを味わうアルバムであることが聞く前でも想像できますが、Sonny Rollinsの疾走型の楽曲のイメージが強い"Oleo"でもゆったりのんびりとしたリズムであえて(?)演奏していることで、彼がこのアルバムで表現したいことが伝わってくる気がしました。

Mehldauはサックスがリーダーのデュオという中で全体的にはかなり控えめな演奏ですが、ソロのパートでは訥々と展開されるフレーズが瞬間的に光っています。
ビートルズの「ホワイトアルバム」からの"Mother Nature's Son"(#5)とチャップリンの"Smile"(#9)といったロック・ポップスからの楽曲ではFrahmはテナーの野太く味わい濃厚な音ではなく、ソプラノの軽快さを活かしてメロディのポップさを強調しているところが興味深いです。特に”Mother Nature's Son"はMehldauがリードしている楽曲で、Frahmのフレーズもどことなく坩堝にはまっていくような感覚を覚えてがMehldau好きには快感ですね。

リリースされたのは2004年ですがレコーディングは2001年で、Mehldau作品で言うと「The Art of The Trio Vol.5」と「Largo」のレコーディングの間というタイミングのようで、Mehldauが次の何かを模索していた頃なのかも。





Personnel
Joel Frahm : tenor & soprano saxphone
Brad Mehldau : piano


Tracks
1. Don't Explain
2. Get Happy
3. Oleo
4. Round Midnight #3
5. Mother Nature's Son
6. East Of The Sun
7. Turnaround
8. Away From Home
9. Smile
10. Round Midnight #1

Rel:2004 Palmetto Records PM2096
Recorded at Maggie's Farm on December 8th, 2001

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