Omer Avital / New Song

2014/03/29


Omer Avital (b), Avishai Cohen (tp), Joel Frahm (ts), Yonathan Avishai (p), Daniel Freedman (ds)
Lead voice on "Tsafdina" & Karkabas on "Maroc": Mehdi Chaib
Recorded at Sequenza Studio, Montreuit, France on July 2,3 2013
Rel:2014 Plus Loin Music PL4568


イスラエルのベーシストOmer Avitalのリーダー作。新宿のCDショップでNowplayingされてて、とても気に入って即買いした1枚です。Omer Avitalは過去にもリーダー作をリリースされていたんだけど、"イスラエル"というのが音楽のイメージが宗教的なものを感じてしまって躊躇していたことを思い出しました。

メンバーはドラムのDaniel Freedman以外はイスラエル出身。

楽曲は11曲でどの曲も5,6分とジャズとしてはソロも含めてコンパクトで、曲自体の起承転結をシンプルにしたポップス的で、作品全体像が伝わりやすくなってます。
メロディは日本人の琴線に触れてくるような哀愁を感じるものや、Aretha FranklinやAl Greenといったソウル的コクを感じずにはいられないものが大半。(Tsafdina(#3)でのVoiceでやはりイスラエルなんだぁって感じたりしますが・・)
それにしても全部Omer Avitalのオリジナルとは、作曲スキルがもの凄く高いですね。

歌心を求められる曲が多いので各プレーヤーの表現力が問われるところですが、Yonathan Avishaiはクールでかっこいい旋律で惹きつけてくるし、Avishai CohenはTom Harrellにも共通する柔らかな音色とテーマの表現(特に哀愁バラードな#4)が見事。

加えてJoel Frahmは暖かみのあるフレーズを連発している(特にソウルフルな#5)し、彼らの音楽をビートで具体化しているDainiel Freedman(唯一アメリカのお人)は、Meshell NdegeocelloやYoussou N'Dour、Dianne Reeves、StingからTom Harrellまで共演しているようで、この作品のDNAと感じたラテン、リズム&ブルース、ソウル的なところを表現するのには適任だったと感じました。(むしろ伝統的なジャズのビートはあまり感じないです)
そしてOmer Avitalの聞きどころは一番"ジャズ"的なMaroc(#6)でのシンプルなリフ。ロックを感じさせるなコード進行がはまっててコンテンポラリーな空気をシャキッといれてます。


そういえば、Avishkes(#4)は'80年代に日テレの金曜ロードショーのテーマだった"フライデーナイトファンタジー"を思い出してしまいました。この哀愁感って、ラテン音楽でもルンバとかにも共通するものがあって、耳馴染みのよさってここにあるのかもしれませんね。



Tracks
1.Hafla
2.New Song
3.Tsafdina
4.Avishkes
5.Sabah El-Kheir(Good Morning)
6.New Middle East
7.Maroc
8.Ballad for a Friend
9.Bedouin Roors
10.Yemen Suite
11.Small Time Shit

2 件のコメント

  1. こちらからもリンクさせていただきます。
    オマー・アヴィタルのリーダー作は過去盤もけっこう買ってますが、本作が過度にイスラエル色を強調することなく、いろんな音楽的要素のバランス加減がちょうどよかったです。
    また長年同じようなメンバーでやっているために、バンドとしての結束力もますます強くなっているように感じられました。
    http://narymusic2010.blog90.fc2.com/blog-entry-2930.html

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    1. naryさん、こんばんは。
      リンクありがとうございます。Omer Abitalのリーダー作は初めてでしたが、ラテン的な多様なリズムやよくできたメロディがよかったです。
      このバンドは、いろいろな音楽で表現できそうですね。

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