Larry Goldings, Peter Bernstein, Bill Stewart / Ramshackle Serenade

2014/12/21


「Ramshackle Serenade」というタイトルそのままに、ゆらゆらと夜聞きたくなるオルガン・トリオのアルバム。

メンツは現代のオルガン奏者では恐らく第一人者のLarry Goldings、正統派のギターを楽しませてくれるPeter Bernstein、硬質なドラムで引き締めるBill Stewartのトリオで、伝統的な響きを引き継いだジャズをたっぷり聞かせてくれます。

楽曲はボサノバのバラードLuiza(#2)、スタンダードのSweet & Lovely(#6)Peace(#9)と、Larry Goldingsの3曲、Peter Bernsteinの2曲・Bill Stewartの1曲という構成。

どれもゆったりとしたリズムの楽曲でタイトルにそった展開ではあるものの、ジャムっぽく幕開けるブルージィなRoach(#1)で3人がそれぞれのソロを繋いでいくところや、Peter BernsteinとLarry Goldingsがソロの交換をしていくにつれ熱さを帯びてくるや否やBill Stewartがカツン・パシッといれてくるSimple as That(#3)のグルーヴはエキサイティングです。
逆に催眠術のよろしくゆらゆらな不思議な感覚のタイトルトラック(#4)は異色な感じではあるものの、なにかクセになる作用をもたらしてくれる楽曲。そのゆらゆら感だけ引き継いだオルガンのリフから徐々に熱さを帯びてくるMr. Meagles(#5)での、Bill Stewartのドラムソロのあたりがこのアルバムのクライマックスに感じました。

Sweet & Lovely(#6)からラストまでは、タイトルのテーマに沿ったゆったりとしたボサノバやバラードで、シンプルな演奏。後味はややさっぱりですが、オルガントリオのアルバムでリピート聞きに耐えられるのは、この楽曲の構成あってこそかもしれません。
オルガンというと昔の人だとJimmy Smith、現代はここでのLarry GoldingsやSam Yahelくらいしか思いつかないんですが、ネットリ・ドロドロなグルーヴという昔のイメージと違って、ここではずっと洗練されていてスタイリッシュにまとめられている印象ですね。





Personnel
Larry Goldings : Hammond Organ
Peter Bernstein : Guitar
Bill Stewart : Drums


Tracks
1. Roach
2. Luiza
3. Simple as That
4. Ramshackle Serenade
5. Mr. Meagles
6. Sweet & Lovely
7. Blue Sway
8. Useless Metaphor
9. Peace

Rel: 2014 Pirouet Records PIT3077
Recorded December 17th 2013 at Kyberg Studio, Oberhaching

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