Sean Jones Quartet / im・pro・vise never before seen
2014/11/09
アメリカ・オハイオ州出身のトランペッターSean Jonesによるワンホーンカルテット作品です。
彼のリーダー作は初めて聞いたんですが、Mark Avenueレーベルよりこの作品で7作目。今回のバンドもここ数作はこのトリオだし、Orrin Evansはデビュー作から共演しているようです。
Sean Jonesをはじめ世代的には30代後半のメンバーで、Brad MehldauやプロデューサーとしてクレジットされているChristian McBrideなどの次の世代という立ち位置でしょうか。
購入意欲をそそったのは、久しぶりにトランペットがリーダーのストレートで熱いジャズが聞けそうだと思わせたメンバーであることと、良質作品をある意味保証してくれるChristian McBrideプロデュース作品であること、それと上品なファッションで暖かみのある表情で挨拶しているSean Jonesのジャケットですね。
この世代のミュージシャンは当然と言えば当然なんだけど、ヒップホップやR&Bを通過してきているので、音楽にエキサイティングな熱さや分かりやすさを求めると思索的な小難しさが前面に感じられて今ひとつ乗り切れないんですが、この作品はそういった心配は無用。
このアルバムのサウンドはハードバップ~モードあたりの美味しいところへビシッとフォーカスが絞れてて、いわゆるジャズ的な心地よさに浸れること請けあいです。
楽曲はスタンダードの#7、ミュージカル"Sweeney Todd"からの#11、Orrin Evansオリジナルの#10以外、Sean Jonesのオリジナル。モードな楽曲をベースにしつつも、Orrin EvansとSean Jonesの楽器本来の音色をストレートに豊かに表現したバラードの#4,#8,#11、小刻みなリズムでグルーヴする#3,#9、どブルースな#5など、バリエーションも豊富で聞きどころがそこかしこに塗されているのがいいですね。特にバラードでのSean Jonesのトランペットの音色は素晴らしい。
有機的でワイルドなドラミングが最高なObed Calvaire、それを心地よくグルーヴさせるベースのLuques Cutis、硬いタッチと都会的な洗練されたフレーズでバンドをモダンなサウンドに引き上げているOrrin Evans、マイルスからウィントンのいいところを抽出したかのようなSean Jonesと、音楽的にもテクニック的にも高いレベルでバランスがとれている素晴らしいバンドでこれからチェックしていきたいと思います。
Personnel
Sean Jones : trumpet
Orrin Evans : piano
Luques Curtis : bass
Obed Calvaire : drums
Tracks
1. 60th & Broadway
2. Dark Times
3. Interior Motive
4. The Morning After
5. I Don't Give A Damn Blues
6. Dr. Jekyll
7. How High The Moon
8. We'll Meet Under The Stars
9. New Journey
10. Don't Fall Off The L.E.J.
11. Not While I'm Around
Rel:2014 Mark Avenue MAC 1080
Produced by Christian McBride and Al Pryor
Recorded at Avatar Studios, New York, NY
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こちらからもリンクさせていただきます。
返信削除本作はきっちりと純ジャズで勝負をかけているのが素晴らしいかったです。
演奏と同様に録音の良さにも感動しました。
http://narymusic2014.blog.jp/archives/14088131.html
トランペットをはじめ凄く音色がよくて正統派のジャズを気持ちよく受け止められる作品ですね。
削除永く付き合えそうです。
リンクありがとうございました。