春先にアナウンスされていた Tom Petty & The Heartbreakers のニューアルバムがリリースされました。'The Heartbreakes'名義のスタジオ制作アルバムとしてはまだ13枚目なんですね。
アナウンス以降、”はじめての徹頭徹尾ロックなアルバム”であることや、彼らの初期のアルバム"You're Gonna Get It!"('78)や"Damn the Torpedoes"('79)あたりのフレーバーに近いといったコメントがメンバーからでていたことから、なんとなくアルバムのイメージはできてきたけれど、予告編の動画をみて期待感はかなり膨らんでいました。
予告編 (Into The Greatwide OpenのPV演出と似ているような。。)
レコーディングは2011年から今年まで断続的に行われ1曲1曲仕上げてきて、レコーディングが進んでいくうちにアルバムの焦点が定まってきたのかもしれません。
ちょっとジャジーな Full Grown Boy (#4)、懺悔的な歌詞にTomさんのブルースを感じる Sins Of My Youth (#8)、Scott Thurstonのハーモニカがいかしてるラフなブルース Burnt Out Town (#10)などは、ブルースフィーリングが満載だった前作 "Mojo"(2010)の流れを感じます。
このアルバムのアイデンティティを決定づけているのは、リードシングルのAmerican Dream Plan B (#1)やCrazyHorceとByrdsが乗り移ったかのようなRed River (#3)、All You Can Carry (#5)、American Girlを彷彿とさせるビートのForgotten Man (#7)、U Get Me High (#9)など、どれもヘビーで印象的なリフとキャッチーなハーモニー、そしてMike Campbellのソロ。ここまでMikeがアルバムでソロを弾きまくっているのは初めてかも。Tomの詞もややもすると暗めでシニカルになりがちですが、'I Wan't Back Down'な反骨的なものやラストの Shadow People のような国の現状を捉えたようなものまで、内面というより外に発せられるものが多いですね。
曲のクオリティやトムのボーカル、Heartbreakersのパフォーマンスは、このメンバー構成になった1993年以降では間違いなく最高だと思います。
Red River (#3)
Personnel
Tom Petty : Vocals, Guitar, Bass (on #3,7,9)
Mike Campbell : Guitar
Benmont Tench : Piano, Organ, Mellotron, Synthesizer,
Scott Thurston : Guitar, harmonica, Tambourine
Ron Blair : Bass
Steve Ferrone : Drums, Percussion
Josh Jove : Fuzz Guitar (on #7)
Ryan Ulyate : Background Vocal (on #8)
Tracks
1.American Dream Plan B
2.Fault Lines
3.Red River
4.Full Grown Boy
5.All You Can Carry
6.Power Drunk
7.Forgotten Man
8.Sins Of My Youth
9.U Get Me High
10.Burnt Out Town
11.Shadow People
Produced by Tom Petty, Mike Campbell and Ryan Ulyate
Recorded at The Clubhouse, Los Angeles and Shoreline Recorders, Malibu
Rel:2014 Reprise Records 9362-49373-0
おまけ:Hypnotic Eyeって?
このようなポスターの1960年のホラー映画のタイトルだそうです。いろいろな事象に盲目的になっていることを暗示しているのでしょうか。
The Hypnotic Eysポスター |
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