アメリカンロックの傑作 Tom Petty / Wildflowers

2009/10/12

今晩は僕が海外で一番大好きなロッカー:トムペティの大傑作を。

この作品の発表前の93年に、Greatest Hitsに収録されていた新曲でリックルービンと組んだ"Mary Jane's Last Dance"という作品が素晴らしくダイレクトな音でとてつもなくグルーヴ感溢れる曲で、当然ながら新作はめちゃくちゃ大きな期待をして待っていた記憶がある。オリジナルアルバムとしては"Full Moon Fever"(89年発表ソロ作品)・"Into The Great Wide Open"(91年発表HB's名義)とジェフ・リン(ex: ELO)のオーバープロデュースによってダイレクトさが希薄となった作品が続いていたので、その反動を求めていたのかも。

さて作品の中味だけど、もうこれはアメリカンロックの美味しいところが余すことなく採られていて、間違いなく(僕的にだけど)アメリカンロックの歴史で5本の指に入る名作だと思う。

アコースティックで弱々しい歌い方の#1,#6などもトムらしくていいし、ノリのいい#4も完成度は高い。"Mary Jane's・・"と似たグルーヴ感とニール・ヤングの"On The Weekend"のリズムを味わえる大ヒット曲#2には思わずやみつきになる魅力がある名曲だ。続いてサザンロック的な#7、ボブ・ディランのちょっと薄気味悪い感じの曲調にかぶる#8もいい。僕がこのアルバムで一番のお気に入りは#9。これもトムのなんともいえない感情を表現しているボーカルと歌詞の一致感はちょっとやそっとの表現力じゃだせない。いろんな感情をメロディーやボーカル・歌詞で表現できる希有なアーティストにここで上り詰めたんだと思った。重心の低い8ビートが楽しめる#10、正真正銘リンゴスターが叩いている#11と続き、謝りまくっている歌の#14も情けなさと素晴らしいメロディーの一致感が素晴らしい。
全体的にトムが離婚の前後に作られた曲らしくて暗めの歌詞が多いけど、「表現ってのは悲しみや怒りが満たされた時にいいものができる」といった意味のことを某剛さんが以前ラジオでおっしゃっていたことにとても合点がいった。
まじで捨て曲はなく、どれも丁寧に作られかつ、勢いもある奇跡のような作品なのでロック好きには非常にオススメの傑作です。


Tracks
1. Wildflowers
2. You Don't Know How It Feels
3. Time to Move On
4. You Wreck Me
5. It's Good to Be King
6. Only a Broken Heart
7. Honey Bee
8. Don't Fade on Me
9. Hard on Me
10.Cabin Down Below
11.To Find a Friend
12.Higher Place
13.House in the Woods
14.Crawling Back to You
15.Wake up Time
Rel: 1994





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