Kenny Barron Trio / Live at Bradley's オシャレなピアノとは。

2014/08/24



ばたばたとした1日が終わってふとしたときに聞きたくなる、そんなアルバムがあります。

2001年にリリースされたKenny Barronのこのライブアルバムもその1枚。
メンバーはRay Drummond(ベース)とBen Riley(ドラムス)で、ライブ当時、Kenny BarronとRay Drummonは50歳前半、Ben Rileyは60歳前半で、大御所然としている今のKenny Barronと比べるとやはり時代を感じてしまいます。

ライブはアルバムタイトルにもあるとおりBradley'sというNYのJazz Clubで、Wikipediaによるとキャパは35人(?)と小さなハコのようで、ライナーの写真からも雰囲気は伝わってきますね。このライブの3日後を収録した続編も現在は発売されていて、セットで楽しめます。

LIve at Bradley'sのライナーノーツの写真
ライナーの写真

ちなみにこのBradley'sはこの収録から半年後の10月に閉店となっています。この時のNY Timesの記事(こちら)が泣かせる・・・。あちらの相場がよくわからないのですが、ジャケットにある金額だったら安すぎませんかね。


アルバムは1時間を超える作品にも関わらず5トラックのみ。ライブらしくアドリブと3人の見せ場がたっぷりでBlue Moon (#3) 以外は10分を超える長尺な演奏です。Solar(#2)を除けばミドル~スローテンポに演奏されていて、その中に心地よいスウィング感を得られる、そんなライブ。

Everybody Loves My Baby, But My Baby Don't Love Nobody But Me (#1) をさりげないブルージーなフレーズとスローなテンポではいって徐々に徐々にスウィングしていく様で心地よくなってきます。唯一突っ走るような Solar(#2) ではBen Rileyの忙しく震えるシンバルがなんか新鮮。。

バラードのBlue Moon (#3)Agter Ego (#4) はBarronの上品でブリリアントなタッチが堪能できます。Kenny Barronのオリジナリティを感じるところってこの「上品さ」なんですよね。フレーズやタッチにブルース臭が強くないというか。


Blue Moon (with Kiyoshi Kitagawa)




ジャズにも多くの聞き方・楽しみ方がありますが、
"オシャレな雰囲気に浸れる"
"演奏を身体でも感じられる"
"メロディが親しみやすい"
の3点であればこの作品は相当な高得点でしょう。


ロックばかり聞いていた僕が30になるかならない頃に手に入れて、演奏に浸る心地よさに目覚めて飽きることもなく聞き続けています。


Personnel
Kenny Barron : Piano
Ray Drummond : Double Bass
Ben Riley : Drums


Tracks
1. Everybody Loves My Baby, But My Baby Don't Love Nobody But Me
2. Solar
3. Blue Moon
4. After Ego
5. Canadian Sunset

Recorded live at Bradley's, 70 University Place, New York City on April 3 & 4, 1996
Rel:2001 Universal Music 549099-2

1 件のコメント

  1. こんにちは。コメントありがとうございます。
    ジャズクラブのはしごって・・凄いですね。とても懐にやさしそうなクラブだったんですね。ともかくこのライブでの演奏する側と楽しむ側の距離が近そうで、吉祥寺や荻窪あたりのジャズクラブの雰囲気を想像しました。

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