Dayna Stephens / Peace

2014/12/07



年の瀬も近づいてきていつにもまして慌ただしくなると、心身とも労りつつ、かつ元気を与えてくれるような音盤を聞きたくなってくる、そんなときに出会ったサックス奏者Dayna Stephensのバラードを中心に据えたリーダー作。正統派のギタリストJulian Lageをはじめ、Brad MehldauやLarry Grenadier、そして現代最強ドラマーのひとりEric Harlandととんでもないメンバーでの「バラードアルバム」。

ただ全編クインテットの演奏ということではなくて、曲毎に編成がアレンジされています。編成としてはこんな感じでしょうか。

Peace : tenor sax, piano, bass, drums
I Left My Heart in San Francisco : baritone sax, piano, bass, drums
Zingaro : All
The Good Life : tenor sax, guitar, bass
The Duke : baritone sax, guitar, bass, drums
Brothers : soprano sax, guitar, piano
Deborah’s Theme : tenor sax, guitar, piano
Oblivion : soprano sax, guitar, bass, drums
Body & Soul : baritone sax, bass, drums
Two For The Road : tenor sax, guitar, bass, drums
Moonglow : baritone sax, bass

Stephensは初めて聞いたと思うんですが、ヘビー?な外見なとおり、テナーやバリトンから発する音色にゆとりがあって"I Left My Heart in San Francisco"(#2)をはじめとても太くていい音を聞かせてくれますね。
Julian Lageにしても、Brad MeldauやGrenadierにしても暖かみのあるフレーズを基本にしつつも、そこからアドリブの坩堝に入っていくJobimのボサノヴァ"Zingaro"(#3)などではかなり熱くなっていくところもあり、単なるバラードアルバムに収斂されていないところはさすが。特にGrenadierのアコベの響きをこんなにデカイ音で聞けるのは珍しい気がしました。Eric Harlandはバラードのリズムでシンバルメインだとやっぱり魅力の半分以下しか表現されていないので、このメンツで好き放題やるような作品で再度聞いてみたいです。

このアルバムでのフェイバリットは今だ健在のTony Bennnettで有名(らしい)2曲。バリトンと後半ちょっとMehldauらしさがきけて素敵な#2と、Julian Lageの暖かいギターがたっぷり聞ける#4。このアルバムの味を代表していると思います。






Personnel
Dayna Stephens : saxophones
Brad Mehldau : piano
Julian Lage : guitar
Larry Grenadier : bass
Eric Harland : drums

Tracks
1. Peace 
2. I Left My Heart in San Francisco
3. Zingaro
4. The Good Life
5. The Duke
6. Brothers
7. Deborah’s Theme
8. Oblivion
9. Body & Soul
10. Two For The Road
11. Moonglow

Rel:2014 Sunnyside SSC1399
Recorded at The Clubhouse, Rhinebeck. NY

4 件のコメント

  1. こんにちは。
    新潟はあちこち雪の被害で大変なのですが、新潟市内は今日はほとんど雪がありません。

    素敵なバラードのアルバムですよね。
    やっぱり、ご本人の音がとても素晴らしいとおもうのですが。。
    そして、仰るようにこのメンツでの暴れた方の演奏も聴いてみたいですよね。
    ご本人丁寧な演奏なので、曲のもつメロディの良さも再認識いたしました。クリスマスアルバムもいけるとおもう。笑

    トラバありがとうございました。
    http://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/peace-dayna-ste.html

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    1. Suzuckさん、こんにちは。
      ハートウォームな佇まいのStephensさんのジャケットそのままのアルバムですし、曲毎ではあるけどメンバーそれぞれの個性も垣間見れて楽しいし、いいアルバムですね。
      バリトンの音がこんなにスウィートな感触だったなんてビックリしています。

      リンクありがとうございました。

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  2. こんにちは。年末も押し迫ったところお邪魔します。

    このアルバム,私はかなり早く音源だけは入手していましたが,CDが届くまでは結構時間が掛かりました。まぁ,かなり渋いアルバムではありましたが,Brad Mehldauコレクターとしては満足しています。だって,彼にしては”I Left My Heart in San Francisco" なんて相当珍しいレパートリーですから。私はちゃんとした記事にしたわけではないですが,リンクさせて頂きます。

    http://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2014/07/brad-mehldauday.html

    ともあれ,本年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします。よいお年を。

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    1. 音楽狂さん、こんにちは。

      今年は渋い内容のアルバムに良作が多かった気がします。年齢的に中堅どころのこのあたりのメンツが尖ってるだけでないところを見せてきている気がしました。
      こちらこそ、多くの音楽ご紹介ありがとうございました。
      来年も宜しくお願いします。

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